日帰り散歩 サイクリングで下町散策


no13_地元・米子で再発見の巻

今回の日帰り散歩は、米子です。そもそも砂糖は米子在住、中学から米子で育ち今に至ります。そんな地元を改めてご紹介するにはどうしたらいいものか…。商売の町というイメージの米子に、観光の目玉って何かあったっけ? 
そこでミカンと作戦会議の結果、駅からレンタサイクルで巡る下町散策といたしました。

今回のコースは中高の6年間、ほぼ毎日自転車で通っていた懐かしの通学路でもあります。久々の自転車におどおどしつつ、まずは商店街へ。元町サンロードから本通り商店街へ、古いお店もたくさんあるけど、近年新しいお店が続々とオープンして、人の流れも変わりつつあるのです。

そんな新しい商店街の姿のさきがけとなったQビルのドドド(お店の名前よ)でお昼ご飯にしたよ。鳥取銀行の店舗として使っていた建物を改装したこのお店、若者に人気です。 おばさんはちょっと浮いてる気もします。 でも、メニューも色々あってゆっくり過ごせる雰囲気のいいお店です。
パスタおいしかったです。

ドドドを出て少し行くと、今井書店本通店青杏文庫があります。
ここは昔は普通の書店だったんですよ。 2階の参考書や文庫が並べてあるフロアにはよく行ったもんだ…。 時は流れ、今では本と雑貨のセレクトショップとして生まれ変わっています。 なんつーか、女子なら足を止めずにはいられない品揃えなのよ。 本棚もテーマを設けてあって「乙女のための本棚」とか。 手ぶらでは帰れないお店です。

そんなこんなでウロついていたら、
ミカンは別のお店で帽子を何故か2個も買っていた。
人間、頭は1個しかないんだよ!
恐るべし、商売の町米子。
ミカンは早速帽子着用、自転車に乗って散歩は続きます。

スイスイ行くと、下町館かどやというお店がありました。何となしに外から覗いていたら「どうぞー!」と元気な声が。声につられて入ってみると、店内には地元のお土産などが並んでいました。かしわ餅を買ってちょっと休憩しようかと思ったら「今お茶入れるから、ここで食べていったら?」とのありがたいお言葉。甘えます。
お店のスタッフのおじさまおばさまとお茶を飲みつつ色々話を伺いました。

でも、あまりのご親切&歓待ぶりに「どちらからいらっしゃったの?」の質問に「市内です」とは言えなかった…。ミカンが「鳥取市です」と答える横で無言でたたずむ私。ここで白状します、私、米子の人間だったんです…。

かどやを出て、また少し行くと長田茶店の趣きある店構えに出くわしました。
しばし眺めていたら、なんとミスター長田茶店の長田吉太郎さんが。今回散策している米子下町かいわいの観光スポットとしての発展に大きく寄与された、立役者ともいえる有名人ですね。

「お茶を一服飲んで行きなさい」と声をかけてもらったのですが「今から加茂川・中海遊覧船に乗るので、もう時間がないんです」と言ったところ、「じゃあ、船頭に電話するから待っててもらえばいいよ!」と。結局またお言葉に甘えてお茶をいただき、お店の中も見学させてもらいましたよ。200年物の重厚な梁のある見事な建物でした。おかげでせわしい中にも、ふっと一息落ちついた時間を過ごすことができました。

しかし、米子の人ってほんとにフレンドリーと言うか、どんどん声かけてくれるんだよなあ。
日帰り散歩で山陰各地を色々回らせてもらった中でも、ちょっとないくらい陽性で人懐っこい米子人たち。
入り口は警戒心強めなのが山陰人と思っていたけど、米子は別物。
観光客のふりしてみて、改めて実感しました。米子の人って強烈ね。

さてさて、それでは今回の散歩の目玉、加茂川・中海遊覧船に乗船です。約10人乗りの船に乗りいざ出発。白壁土蔵や古い家並みに囲まれた加茂川を船はゆっくりと進みます。うーん、ベネチア気分。川面を渡る風もここちよく、桜の季節はさぞかし絶景だろうなあ。

普段の生活の中で普通に車で走り抜けている町並みを、船から目の高さで見るのは新鮮な感動でした。所々にかかる橋は約半数が個人所有のものとの事、中には水面からほとんど距離がないものもあって、乗客もリンボーダンスのような姿勢でくぐりぬけたり。やがて船は中海に出ます。長年住民やってますが、海から米子を見たのは初めてです。

no13_後藤家屋敷

船のそばを目の高さで魚がはねて、ちょっとした迫力。船に飛び込んでくるかと思ったほどだもんね。
船頭さんのガイドもオヤジギャグを交えたりして、なかなか笑えます。
ディズニーランドのジャングルクルーズも顔負け。
なお、この日は暑いほどの好天と撮影の都合上、一部救命胴衣なしで乗船いたしました。
通常は救命胴衣着用でお願いします。

中海からまた新加茂川へと入っていくと白鳥がおりました。
この白鳥、なかなかのふてぶてしさ。船頭さんがエサを投げるもそっけない顔。首をスッと伸ばしたおなじみの姿じゃないと、白鳥ってこんなふてぶてしかったっけ?
あと、思ったよりデカくてびっくり。

米子駅の程近く、米子コンベンションセンターの付近まで川を上り、Uターン。
また中海を通り、加茂川へと戻ります。
約50分の水上散歩は見ごたえ十分でした。

船着場からまた自転車に乗り、岡本一銭屋へ。昔から玩具やお菓子を扱う、
町の駄菓子屋さんです。軽快なおばさんのトークを聞きながら、 ついあれもこれもとお菓子を買ってしまいました。何故かブーブークッションまで。
50円だったんだもん。息子のお土産にしようっと。 典型的な町屋の作りで、中庭のある建物は懐かしさ120パーセントです。そうこうしていたら中学生たちが自転車で集まってきたりして。いいねえ、腹ペコどもめ。青春に圧倒されながら、店を後にしました。

今回の散歩は自分がよく知っているつもりの町並みだったのだけど、改めて見ると楽しい場所でした。 商店街で、自分が通学してた頃から変わらず置いてある店先の岸本加世子の等身大パネルを見つけたときは、ギョッとしたけどさ。でも、何より人がいい人たちだ。新しい米子を作ろう、米子を面白い町だと思ってもらおうとそれぞれ頑張っている方々が、素敵でした。最初は「米子に観光として見るものなんて大してないじゃん」なんて思ってたけど、それは私の認識不足でございました。 米子いいとこ一度はおいで。

さんいんキラリ No.13 より転載


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